介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

霊感商法から見た利用者家族との関わり方。

こんばんは。マジで寒いです。本当寒い。気温が本当に低いというより、昼夜の寒暖差がありすぎて服装がついていかないのが一番の原因です。利用者に体調崩されたらたまったもんじゃない。

 

 

普段なら大して食いつかない記事なんですが、Twitterでの引用文がこんな文言だったのでつい見てしまった、というのが以下の記事。


買わなきゃ地獄行きだよ!霊感商法業者が語る手口と実態とは?(1)


買った途端に名簿が回る恐怖!霊感商法業者が語る手口と実態とは?(2)

 

「介護士を飼う」なんて表現が出てきちゃえば思わず見てしまいますよね。まあその辺は守秘義務に関わる部分だったので、守って当たり前、と割り切って割愛します。実態はどうなんだろう…と思わなくはないですが…。

 

 

今回引っかかったのはこの部分。

病人の介護に「私だけはしっかりしなくちゃ!」と気丈に振舞っていた被害者でも、
畳みかけるように恐怖心を煽る霊感商法の前に、精神を参らせ、廃人のようになってしまうケースもあります。

 

直接被害を被った、あるいはそうした人を間近に見た、というわけではないのですが、それに近い事例を見てきたのでそれが思い出されました。

 

 

うちのリーダーがとある利用者の家族からこぼされたそうです。「うちの家族(利用者)の状態がどんどん悪くなり、少し扱いがいい加減になってきたと思ったら自分の周りで不幸が続いてしまった。こないだ訪問された人にも言われたのだけど、何かそうした因果がまわってきたのだろうか」と。

僕もそれを聞いたリーダーも、そんな事はないだろう、と思いましたし、実際リーダーはそう答えたようですが、それでも本人はなかなか納得せず思い詰めたような表情を変えなかったそうです。

 

訪問した人というのは、まあ、商売ではなく、そういう人たちだったそうですが、そうした話を聞くたびに、利用者家族に対する対応というのを改めて考えさせられます。

 

 

初任者研修でも、ターミナル期の立ち振る舞いというか、介護職としてあるべき姿というのを考えさせられるわけですが、そこまでの段階でなかったとしても、利用者の体調の衰えや認知の進行によって介護する家族の精神状態が落ちていくという事はあるわけで、そういった場合の介護職が出来る家族へのフォローというのも考えなくてはいけないんじゃないかなと思う訳です。

 

以前送迎について記事を書いた時、家族と接する時の事を少し書きました。

 

通所介護の送迎は深入りすれば何より面白い業務である。 - 介護士こじらせ系

 そのときこんな事を書きました。

これは少し特殊なのかもしれませんが、利用者を看ておられるご家族からのガス抜き、つまり愚痴聞きなんかをやっていた事もあります。こちらが直接何かが出来るわけではありませんが、そうする事で少しでもご家族の気持ちが軽くなるように、そしてその先に少しでも長く継続してうちの施設を利用していただけるように、といった意味合いがあります。 

 そう、まずガス抜きです。張りつめて膨らんだ不安や緊張感を窄める必要がまずはありますからね。それが前回の記事での記述でした。今回はもう少しだけそこに突っ込んでいこうと思います。

 

 

面白い事に、先に挙げた霊感商法の記事がなかなか参考になります。というか、この一文に様々な要素が集約されていますね。

 

私だけはしっかりしなくちゃ!

 

うまくガスが抜けている人というのは他人に頼るのが上手な人です。上記のように私だけは、と考える人ほど、こんな状況を人に愚痴っては迷惑だ、とか、自分が看なければこの人はダメだ、と不必要に身構えた挙げ句このような勘違いをするのではないでしょうか。そしてその背景に不安を押しつぶし、自分を奮い立たせている様子が透けて見えるのであれば、僕たちは頼る事の大事さとともに、自分たちが頼れる存在である事を言葉ではなく態度で示さなければならないでしょう。霊感商法の人たちと同じように、介護職の人間もそうした不安の部分を見つめながら、ケアに結びつけなければならないでしょう。そして霊感商法の人たちが不安を増幅させるのとは逆に、不安を如何に小さくしてあげられるかが鍵となります。

 

不安を小さくする事として出来る事は、具体的な話をして小さな不安一つ一つをつぶしていくことでしょう。これは介護士一人ではなく、スタッフで共有して、施設としてこういう対応をする、というような形でやるべきでしょう。霊感商法の人たちが見えない不安を最大限に煽り、増幅させるのであれば僕たちは目の前にある具体的な不安を片っ端からつぶしていくに限ります。恐らく介護家族が感じる漠然とした不安というのは、利用者への介助一つ一つから抽出されたネガティブな要素の集合体です。漠然とした不安感に真正面からぶつかるべきではないでしょう。

 

介護職の仕事じゃなくね?ケアマネとかじゃね?と思われるかもしれません。

 

でもね、伝え方だとか、接し方の中で工夫してうまく入り込んでいけば自分たちの仕事の範疇にする事は可能だし、そこまでやれた時が一つの仕事の醍醐味だとも思うんですよ。家族が、「○○と言われたし、そうしようと思う」なんてケアマネとかに言ってくれるくらいになったら最高ですよ。

 

 

とまあ、今日はこんな戯言を上記の記事から感じたのでした。色々な施設の色々な考え方だとか、規模から来る全体把握の難しさとかもあるでしょうからね。ふとした時に思い出してもらえたら嬉しいです。では。