介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

いっぷくの特集、足立区の日本一美味しい給食から感じた気持ち悪さ。

こんばんは。

 

世の中には今時こうだろう、とか、この歳になったら当たり前というように、あらゆる物事に対して、ある程度の段階に至ったら出来て当然であると考える人は結構多いように思います。そして、そう言及する人に限って偉そうな割にその分野に対しての見識が足りていなかったり、考えが浅はかだったりするので関わったら非常に厄介だよなーと思うのです。

さも当たり前のように、自分の偏見を一般論のように語られてもな、と。

 

 

今日、施設のテレビで朝の番組 「いっぷく」を流していたら、足立区の給食についての話題が取材されていました。曰く、日本一美味しい給食である、と。

 

確かに、納品業者への納品方法一つから衛生面に気をつかったり、天然出汁のみを使って料理を作ったり、各学校に栄養士を一人おいて栄養管理だけでなく献立や産地情報を校門や学校のウェブサイトで毎日更新するなど、正直そこまでやるか、と思うほどの取り組みを行っていました。

 

ただ、そこでインタビューを受けている区長のコメントにビックリするくらいの違和感を覚えました。確か、こうした取り組みの発端について答えているような時の発言だったと思います。当然仕事中だったのでかなりうる覚えなのですが、

 

「学校の給食で栄養バランスをとっているとか、野菜は給食でしか摂らないと聞いて、最初は冗談かと思ったら本当だった」

 

というような事を言っていました。

 

 

驚きました。この人は、主婦になれば誰もがある程度バランスの取れた食事を作れたり、しっかり野菜を取り入れた料理を作るものだと思っているのでしょうか。

 

料理って、覚えるの結構大変なものですよ。僕もちょくちょく自炊してますが全然出来ている気がしない。実際に作るところを見て、やってみてもすぐに覚えられるものじゃない。

 

献立をバランスよくって、相当難しいですよ。それも毎日だなんて。それが難しいって事は栄養士を雇っている事自体が証明してますよね。

 

学校で学べる料理なんて、受験科目に入らないという理由で軽視されがちな家庭科で行う調理実習程度です。軽視されるから、熱心な人を除けば対外の人がそれなりでこなす程度に終えてしまうものです。

一昔前であれば、花嫁修業なんて言葉があったわけですが、男女平等が叫ばれる今では死語であり、差別用語ですらあります。ですが、修行、とつくくらいのものです、男性であれ女性であれ、それなりのトレーニングを積まなければ出来ないスキルなわけですよ。出来て当然だなんて価値観の方がはるかにおかしい。

 

 

 

足立区の取り組みは素晴らしいと思いました。現場の方の熱心さも同様でした。でも、あの区長のコメント一つで、過剰な”やってあげてる感”が感じられて僕は気持ち悪くすら感じました。

料理は出来て当たり前、という価値観から脱却して、野菜がうまく摂れない子どもがいてもおかしくない、というところまで掘り下げて取り組みをもっと進めてもらえるといいのになーと思います。