介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

要介護3が一番大変

さて、ご無沙汰でした。いきなりですが書こうと思います。

 

 

要支援、要介護の認定、あるいは基準って何なんだろう、と最近思う事が、あるいは職場において話す事がちょくちょくあるのでその辺を吐き出そうと思い、書く事にします。

 

 

 

そもそも要介護認定とは何か、改めて見てみると、

www.mhlw.go.jp

こんな厚労省の記事に当たります。大雑把に一次判定、二次判定があって…なんて程度の僕にしたら、ほー、と思わず食いついて読んでしまうような内容でした。特に気になるのは「1分間タイムスタディ・データ」と呼ばれるものですね。一応コピペすると、

要介護度判定は「どれ位、介護サービスを行う必要があるか」を判断するものですから、これを正確に行うために介護老人福祉施設介護療養型医療施設等の施設に入所・入院されている3,500人の高齢者について、48時間にわたり、どのような介護サービス(お世話)がどれ位の時間にわたって行われたかを調べました(この結果を「1分間タイムスタディ・データ」と呼んでいます。)。

との事。出来る限り一般的な指標を作り出そうとするのであれば、これくらいの標本数が必要になるでしょうし、おそらく、結果もあながち間違いではないのでしょう。 二次判定で人の手によって更に精査されるという事を考えると、まず大まかに概要を自動的に判断するのは作業量の観点からして必要だと思います。

 

 

でもね、この指標、今の介護の流れにそぐわないよなーって思うんですよね。だって、国は在宅での介護を推奨していくわけでしょう。それなのにその為のサービスを受ける為の枠組みである要介護認定の指標が入所者から取られたデータを元にしているなんておかしい、というわけです。

 

 

うちの施設のスタッフがよく言うのは、「要介護3が一番大変」という事。勿論一概には言えない、という前置きの上でですが、例えば認知症による徘徊がある高齢者の場合、24時間付きっ切りでないと何が起こるか分からない、という事が容易に想像出来ます。在宅で介護をする場合ですと、介護者は何かしら家事などを行いながらも常に気にかけておく必要があるわけです。気が休まる暇は勿論、下手したら寝る暇だってありゃしない、なんて事も十分あるわけです。ところが以下の文章を読むと、先の「1分間タイムスタディ・データ」においては、

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05kaig.nsf/0/18487f3e5f70d4974925689a003b8747/$FILE/16%20要介護認定の質問_WORD97_.PDF

例えば、高齢者 の様子を気にかけながらその傍らで介護を必要とする高齢者に対する介護サービスとは特 定できないような一般的な家事をしている時間は要介護認定等基準時間算定の対象となっ ていない

 という事らしいです。何が起こるか分からないので、何か並行して作業などをしながらも常に側にいるというのは算定対象にはならないようです。

こうした場合に結果として何が起こるかというと、通所介護サービスの利用者及びその家族においては、必要十分なサービスが受けられない、という事が挙げられます。あるいはその要介護度が一つの要因として、入所が困難になるという事も。

時間の感覚がなくなり、いつ徘徊してトラブルを起こすのか分からない状態の高齢者を24時間見続けるのは不可能だからと毎日通所の予定を入れようとしても点数が足りず、なんて事が実際にあるわけです。そして、介護者が疲弊し切った頃に高齢者の認知症が進んで殆ど満足に身動きが取れなくなり、ようやく入所が可能になる、と。

 

 

一番大変で手がかかり気苦労が絶えない時期に必要とするサービスを満足に受けられないというのは如何なものなのでしょうか。

 

 

勿論、じゃあ入所者を増やそうだなんて事が出来ないのは重々承知していますし、そもそも介護従事者が圧倒的に足りていないという事も、そこに予算をつぎ込めないという事も一応は理解しています。とはいえ、そもそも介護がなぜ必要?と考えた時に、本人の次に必要になるであろう家族が助けられないというのはなんだかなあ、と思うのです。

 

 

久しぶりの投稿はこんなぼやきでした。