介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

今年のJ2はFC岐阜を応援しなければいけない

世界中の有名人が参加した事で話題となり、かつ賛否両論かなり分かれたアイスバケツチャレンジの記憶はまだまだ新しいところだと思います。ALS筋萎縮性側索硬化症と呼ばれる不治の病に対しての認知を広げるという事、その為の募金を集める事が目的だったと記憶しています。

 

いつの間にか消えてたとか、結局のところ意味あったのか、なんて批判もあったわけですが、今振り返るとやはり意味、意義はあったんだなーと思うんです。


ドメサカブログ : FC岐阜の恩田社長が難病ALS発症を告白 職務続行の覚悟明かす

 

 

J2所属のFC岐阜の社長である恩田さんがそのALSを発症した、という記事です。この記事のコメントにある、アイスバケツチャレンジのおかげでALSという文字を見ただけでどんな難病か分かる、というのはその効果を証明しています。そういう意味で、必要な活動だったんだな、と実感します。もちろん、新たな患者さんが現れたという意味では良かったなどとは口が裂けても言えませんが。

 

それにしても、本当に強い人だなと思いました。恩田さんのコメント全文を読んでいただきたいのですが、


代表取締役社長からFC岐阜に関わるみなさまへ | オフィシャルニュース | J's GOAL

 

 

この方からは目の前のやるべき事をやっていく、という極めて前向きな強さしか感じません。

このALSという病気は、身体は動かなくなるが、命までは取られない感覚、知覚、意思、判断にも影響はなく、私は、『わたし』のままでいられるならば、今まで通り社長業を続けられる限りは続けて、「ぎふ」のために働きたい。

自らの病気をここまで前向きに捉えて前進していくなんて事は、僕には到底出来そうにありません。自分のやるべき事が見えるという事は、ここまで強くなれるのか、と心底感じます。

 

病気を宣告されてからの感情の動きは、キューブラー・ロスの死の受容過程と呼ばれる、病気を受容していくまでに通過していく5つの過程が有名ですが、恩田さんには当てはまらないようです。


死の受容過程 : みんなのケア環境

 

またこちらの論文の最後の章では、突然ALSの告知を受けたとある主婦の語りがあります。

http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/bitstream/11094/11754/1/clph_009_091.pdf

http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/bitstream/11094/11754/1/clph_009_091.pdf

ALS患者とその家族の語りに対する実存論的分析:本来的な《死に臨む存在》としての先駆的覚悟性への『気づき』について」

検査結果が 1 週間後にわかるからといわれて、1 週間 後にいったんです。そしたら、何の前触れも説明もなくいきなりいわれたんです。あなたは「筋萎縮性側索硬化症ALS です」って。そっからさきは頭の中がもう真っ白 になって予後のこととかいわれたんですけど全く覚えていないんです。それどころか 何で、いきなり告知をするのかって後から怒りがこみ上げてきて、何で私がこんな病 気にかからないといけないのかと。なんでこんなに早く死ななければならないのかと 思うと辛くてたまりません。毎日毎日、日毎に足が細くなっていくのがわかるんです。 こんな辛さ皆さんにはわかりますか。日に日に足が細くなっていくことにどれだけ恐 怖を覚えるか皆さんわかりますか。それを皆さんの先ほどからのお話を聴いていると、 ALS =早速死が待ち構えているような感じがして皆さんの仲間に入りたくなかったん です。今でも立ち上がろうとすると後ろへ倒れるような気がしますし、歩くとすぐつ かれてしまいます。だけれども、いずれ人工呼吸器をつけなきゃいけないなんて考え られません

 

おそらくこれが本音ですよね。そしてこうした感情すら吐き出すのが難しいはずです。

 

 

今回こうして記事にしたのは、純粋にサッカーを愛する人間の一人として恩田社長を応援したいと思ったからです。残念ながら他チームのサポーターなので一番に、というわけにはいきませんが、何とか今年一度は長良川のスタジアムに足を運べたら、と思います。

 

今年のJ2は例年になく厳しい様相を呈しているけど、FC岐阜、応援します!ラモス以下選手たちは今が一番の魅せ場です、根性見せたれ!