介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

介護施設の強みと介護で甘い汁を吸う人たち。

今日は冬至という事で、うちの施設でもお風呂に柚子を浮かべて利用者に入浴してもらいました。おかげさまで柚子の仄かな香りと便の臭いが入り混じった素敵な空間になり、非常に個性的な形で冬を感じていた冬至の今日でした。

 

 

ところで、介護職の皆さんは自分の所属する施設の強みって、どのように考えていますか?

 

 

うちの施設の場合ですと、出来る限り在宅で家族を介護したい、と考える人にとっての最後の砦のような施設である、というのが一つの強みとしてあります。特に認知症が進み、ご家庭によっては入所を選ぶような利用者がうちの施設には多いです。正式にうたってはいませんが、いわゆる認知症対応型と呼ぶものなのでしょう。小規模で出来るだけマンツーマンで見るのが基本です。

他の施設では粗暴で手がつけられない、なんて利用者がうちにきてからは随分と穏やかで毎日楽しそうに過ごしたりします。利用日でない日にもいつも送迎に伺う時間になると外に出てしまうそうです。人が変わったかのようにこうして利用してもらえているのがうちの施設の強みを語っているような気がします。

 

 

うちはハードでは全く勝負が出来ない分、ソフトの面でアピールしなければならない施設ですが、対外的にはやはりハードで個性を出す方が分かりやすくアピール出来るようで、リハビリや入浴施設が広い、充実しているなどといった基本的な設備をアピールする施設から、パチンコを据え付けたり、はたまた僕も以前記事で取り上げたようなキャバレー風のデイサービスだったり、あるいはもはや利用者の本来のニーズなのかどうかさっぱり分からないようなカジノを併設したデイサービスだったりと、その内容は様々です。

 

介護と酒 - 介護士こじらせ系

 

 

なんだか介護事業者の見ている先が介護を必要とする高齢者ではなく、そうした人たちを管理するケアマネにばかり向いているんじゃないかとすら思えてくる状況です。どうなんでしょう、ケアマネをされている方はこうした施設ってどう見ているんでしょうか。

 

 

ただこうした状況は、ケアマネだったり地域包括センターの人たちが利用する施設を選ぶ(もちろん利用者やその家族の希望で、という形もあるが)という形をとっている以上、致し方のない事ではあります。そりゃ、施設運営を軌道に乗せたい、あるいは手っ取り早く儲けたい、と思えばそうなりますよ。なかなか情報が少なくて選ぶのが難しいであろう家族に直接アピールするより明らかに効率が良いですから。

 

 

ただ、それがいきすぎるとどうなるのか、というのが以下の記事。


【介護「囲い込み」是正へ】接待、金品…業者が地域包括支援センターに攻勢 要介護の高齢者紹介目当て : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)

 

そうか、介護も甘い汁を吸いたい輩がたかってくる業界なのか、と感じたわけです、これを読んで。飛ばし、憶測の記事であって欲しい限りです。

 

 

以下の記事にもあるように、介護関連の市場規模ってこれからさらに増えていくんですよね、現場から離れて。


2020年の介護福祉・介護予防関連の国内市場規模、2013年比で8割増に:介護:日経デジタルヘルス

 

ここに、来年の介護保険の改正が入ってくるわけです。例の介護報酬の引き下げですよ。おそらく介護職員の給料なんて上乗せされないでしょうが、基本的には施設にとってはこのままでは減収になる可能性が出てくるわけです。

 

 

全部が正しいとしたら、ちょっと抜け出せば美味しい事業者にとって美味しい思いの出来る業界になるという事になります。

抜け出す為にあの手この手を考え、本当に必要か分からないサービスを捻り出したり、袖の下を渡してしまっていたり…。

 

 

施設の強みって、一体何になるんでしょうね。

 

 

僕は、具沢山で調味料たっぷり、味が濃い大きなサンドイッチより、一つ一つの素材からこだわった、味もシンプルなたまごサンドの方が絶対に美味しいと思っています。

足し算より引き算です。バカ正直なんでしょうが、そうありたいものです。

 

 

 

 

最後PRみたいになりますが、Tumblrサイトやってます。介護で甘い汁を吸おうとする人たちの良心をくすぐれるような内容にしていきたいと思います。


ハッとする介護