介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

地域に根ざした介護、というのであれば。

僕は今介護をしている場所が生まれ育った場所と違うという事もあって、地元の人に比べて地域性というものにどうしても疎くなってしまいます。その地域の郷土料理だったり方言だったりお祭りだったり…。ご当地の人からしたら常識な事も僕には分からない、というのはよくある話で、ごくごく当然のように話している事が全く通じない、なんて事もあったりします。(逆に会話のきっかけになったりするのでやり方次第ではあるな、とも思ってはいますが。)

何年か住んでいるので多少の方言は分かるようになりましたし、利用者と接する時には意図的に方言を使うようにして心理的な距離感が少しでも縮まるようにしています。実際どうなのかは判断のしようがないですけどね。

 

入所施設ならともかく、デイサービスなどの通所施設なんかはどうしてもその地域に長年暮らしている高齢者が利用の対象になるという事もありますから、地域性からは目を背ける事は出来ないはずです。多分全国同じようにサービス提供をしているつもりでも、イベントの時期がズレていたり、あるいはその地域独自のイベントなんてのが存在していても全然おかしくないような気がするんですが、どんなもんなんでしょう。

 

 

 

とまあ、そんな「その場所ならでは」というのを考えさせられたのがこの記事でした。


要介護者 自然は良薬 五感を刺激、表情豊かに 熊本の施設 野外ゲーム取り入れ - 西日本新聞

 

アメリカ発のネイチャーゲームを取り入れている、という事で、地域性とは随分文脈が違うわけですが(笑)、それでもその地域の自然の中で遊んでいた記憶、というものがあるわけで、ただ自然に触れる、という事以上のものを感じます。極端な話、沖縄育ちの高齢者が北海道で雪を見たって効果は薄いでしょう。

この熊本の事例でいけば、もちろん自然に触れるという事自体に効果はあると思うのですが、その前提としてそれぞれの高齢者の中にその土地の自然に触れてきた、というものがあるからこそネイチャーゲームの要素が生きるはずです。

 

介護ってメディカルな分野ですからね、ともすれば画一的に合理的に組まれたプログラムによって身体機能の改善を目指す、なんて堅苦しい形になる危険性も多少はあります。だからこそ、その地域独自の文化をスタッフが意識的に取り入れる事が出来れば地域の特性が出てきて利用者にとっても良い影響が出るんじゃないかなと思います。回想法なんかでそうした要素を利用者から引き出せたら最高ですね。

 

 

驚きの介護民俗学 (シリーズ ケアをひらく)

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