介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

小規模施設への事業所報酬減額でどうしても気にして欲しい事。

明日の仕事に備えて寝ようと思っていましたが、Twitterでこんな記事が流れてきたので少し言及したいと思います。


介護報酬:小規模型事業所、引き下げへ - 毎日新聞

 ある程度は理解出来るんですよ。確かにネットなんかでも、小規模での開業を勧めるコンサルはそこそこいますし、参入する側からしても障壁が低くて補助が多いというメリットもある。参入の抑制をしたいという考えも十分分かります。

 

でも、今それなりに形になって成立している小規模施設はどうなるんでしょう。

 


ヘッドライン | 医療・健康 | 通所介護の事業所報酬引き下げ 厚労省、認知症対応には加算 - 47NEWS(よんななニュース)

 

ここにもあるように、認知症対応には加算が入るそうですが、果たしてどのような基準を設けて制定するのか。うちの利用者は認知症の進んだ方が多いのですが、そういった方が多いから大丈夫、というものでもないでしょう。

一日のスケジュールの中に何かしらの要件を盛り込むのか。はたまた、職員の人数に制約をかけるのか。あるいは、介護度による制限をかけてしまうのか。どうなるんでしょうね。

 

ただ言えるのは、認知症がある程度進んだ方々が揃うような施設の場合だと、その分職員もそれなりに勤務させないと対応出来なくなってしまうので人件費も嵩むし言うほど儲からないと思うんですよ。うちの場合でいくと、前に僕がいた施設は職員一人に対して利用者三人程度をみる計算でしたが、今いる施設だとほぼ一対一です。歩行の補助に一人の利用者に対して二人ぐらいつくので、それくらいの割合でいないと現状では厳しい状態です。そういう意味で、利益率が高い、というのはどの辺の数字を見ているのかがとても気になります。うちみたいな認知症の方ばかりの施設なんて元々大きな利益なんて期待出来ない気がします。

 

こういった考えからいくと、認知症対応に対して加算が出るのであれば、報酬が下げられた分加算を足せば同じか、それ以上になるくらいでないと参入障壁が下がるばかりか、現状で認知症対応の為に職員配置をしている施設から倒れてしまうのでは、と不安になってしまいます。

 

 

目の敵のように扱われている小規模施設ですが、本来的な介護の姿勢からいけば小規模の方が利用者に目が届きやすいしより利用者の声を拾いやすいです。これは間違いない。うちの施設に、大人数のデイサービスで見切れないから、と移ってこられた方がいますが、ビックリするくらい馴染んでますよ。それは、以前の施設ではなかなか相手に出来なかったという面を、常に誰かしらが話し相手になったり出来るというメリットがあるからです。

 

 

今回の法改正では財務省側の圧力が強く、また高齢者に対しての費用が膨らみ続けている事も事実です。2025年問題というような、高齢者の比率が一気に膨れ上がってしまうといった将来的な懸念もあります。これまでの国の借金、これからの福祉への支出の増大を見据えての厳しい支出減額に向けた報酬減の姿勢も分かります。

 

ですが、真っ当な介護を行う施設がつぶれてしまうような、正直者が馬鹿を見る法改正だけには絶対になって欲しくないものです。どうなっていくのか注目ですね。