介護士こじらせ系

Bandcampとユマニチュードが気になる介護職の雑記です。

デイサービスのレクリエーションに使える(?)、童謡のウンチクあれこれ。

こんばんは。昨日は職場の方の送別会でした。少々飲んだ量が多かったので昨日はブログ更新出来ませんでした。ちょっと情けないですね。

 

 

さて、デイサービスにいるといつもいつも困ってしまうのがレクです。本当毎回自分が担当するたびにもの凄く悩まされます。結構頭を抱える問題ですよね。

よくやるのが童謡を歌う、です。歌詞カードを持ってもらって、みんなで合唱して…。

懐かしさと共に、結構知らない歌ばっかりだなーと思いながら少しずつ覚えて僕も歌っています。

 

それで、ちょっと面白いなーと思うのが、童謡の歌詞です。曲によっては意味深だなーとか、どういう意味なんだろう、と考える事もあったりします。一番最初に歌詞で疑問を抱いたのが「かごめかごめ」でした。

wikipediaなんかで調べてみたら、一節一節にあまりにも様々な解釈が入っていたのでビックリしました。

かごめかごめ - Wikipedia

 

以前いた施設ではこの中の一部を歌う前に話させてもらって、歌について利用者とコミュニケーションを取りながら進めたりもしていました。皆さん結構色んな事ご存知なんですよね。当たり前と言えば当たり前ですが。

 

というわけで、レクで童謡を歌う時に話のネタとして使えそう(?)な曲の歌詞や意味などについて調べてみました。

 

・「赤い靴」赤い靴 - Wikipedia

横浜は山下公園にある石像がとても有名な「赤い靴」ですが、その女の子が実在の人物であった、というのは結構知られた話です。ですが、実際のところそれが事実であるかどうか、いくつか説があってはっきりしていないようです。

純粋に実話説からいくと以下の記事の方が分かりやすいと思います。

もうひとつの伝説 - 民話や童謡・童話の真実をさぐる -

個人的には、歌詞に出てくる「青い目に なっちゃって」が比喩的な意味で使われているという事が分かって少しスッキリしました。

 

実話である、という説を作り上げたのが北海道のテレビ制作関係者で、それを本として出版したものと、その本に対して一つ一つ矛盾をついて実話である事を否定した本の2冊を引き合いに出してまとめているのがこちらの記事。


「赤い靴はいてた女の子」 ……人は見たい姿を見る - OY2

 

たった一曲の童謡でここまで様々な論争を引き起こす辺り、童謡の深みと面白さを感じます。

 

・「シャボン玉」シャボン玉 (唱歌) - Wikipedia

ふわっと高く舞い上がったシャボン玉が割れるまでの風景を歌っただけの一番と、失敗してすぐに割れる二番で構成された、シンプルな曲ですが、ここにもただならぬ意味がある、という説があるようです。先のwikipediaから引用すれば、

歌詞にはシャボン玉で子どもが遊んでいる様子が描かれているが、これに夭逝した子供への鎮魂の意を見出す説もある。

1908年、雨情は後に協議離婚に至った妻のひろとの間に、長女「みどり」をもうけた。人形のように愛らしい赤ん坊であったが、産まれて7日目に死んでしまった。当時は、乳幼児が死ぬのはさほど珍しいことではなく、2~3割の子供が学齢前に死亡していた。そのため、夫婦は子供を何人も産み、一所懸命育てた。雨情もその後何人かの子供を授かっているが、長女の死を後々まで悔やんでいたという。 雨情は後に生まれた娘・恒子も亡くしている。当時、2歳。1924年(大正13年)9月のことである。

そしてある日、村(茨城県多賀郡磯原村)の少女たちがシャボン玉を飛ばして遊んでいるのを見た雨情が、娘が生きていれば今頃はこの子たちと一緒に遊んでいただろうと思いながら書いた詩が、この「シャボン玉」だというのが最もよく知られる説である。

 と書かれています。説、という言い方をしたのは、この引用のすぐ後に、

以上の鎮魂歌説は、テレビ番組において定説であるかのように放送されたため、一般に広まった。しかしその他にも、時期的な観点から実子ではなく親類の子への鎮魂歌であるという説や、特定のモデルはなく子どもの死一般を悼んだものとする説、特に鎮魂の意は無いという説など、諸説存在する。 なお、雨情自身が子どもの死との関連について触れている資料は一切無い。雨情の遺族の間でも意見が分かれており、現状では鎮魂歌説を含めいずれの説も確たる根拠を欠いていると言える。 

 とあるからです。もう少し詳しくこの曲について書かれている記事がこちら。


なっとく童謡・唱歌 中山晋平の童謡(1);シャボン玉,あの町この町,アメフリ,雨降りお月さん・雲の蔭,証城寺の狸囃子 池田小百合

 

どの説が正解か、結論は出ませんが、亡き子どもへの鎮魂の意味を含んだ歌であるという事は言えそうです。

 

・「七つの子」七つの子 - Wikipedia

かつて志村けんが、「カラスの勝手でしょー」と歌い、PTAから総スカンをくらったというのはあまりにも有名な話で、むしろ僕は正しい歌詞をしばらくは知りませんでした。

 

この曲で謎なのは、「七つ」という表現です。wikipediaによれば、

『七つ』という言葉が「7羽」を指すのか「7歳」を指すのかは明らかになっておらず[1]、度々論争の種となっている。カラスは一度に7羽ものを育てることはなく、7年も生きたカラスはもはや「子」とは呼べないためである。 

 とあります。これについては確証をもった説はないようです。色んな解釈をしながら歌ってみると良いのかもしれませんね。レクの現場であれば、利用者に「七つ」って何?と問いかけてみるとか。

 

ちなみに、ここまで挙げた三曲ですが、すべて同じ方が作詞をされています。野口雨情さんという方です。

野口雨情 - Wikipedia

今回は取り上げていませんが、他にも様々な歌詞を書かれています。凄いですね。

 

・「赤とんぼ」赤とんぼ (童謡) - Wikipedia

介護現場の方であれば、いや、そこだけにとどまらないのかもしれませんが、歌い出しが同じという事で「夕焼け小焼け」とメロディーを間違えてしまう方もいるようなこの曲。ちなみにうちの施設ではしょっちゅうです(笑)。

 

歌詞の中で出てくる「おわれてみた」は、「追われて」ではなく、「負われて」、つまり背中に負ぶさって夕焼けを見ていた光景だというのは知ってますか?

歌詞を全て通して読んで分かるのは、この曲の主人公は目の前を飛ぶ赤とんぼを見て、15歳でお嫁に行き、便りもなくなって今どうしているのか分からない姉(?)の事を思い出すという物悲しい歌です。最も悲しい童謡、なんて書かれている記事も見かけます。

個人的には、昔観に行った七尾旅人のライブで聴いた「赤とんぼ」からの「Memory Lane」の流れが最高だったのを思い出します。


Oct.7.2012. 赤とんぼ / 七尾旅人 Live at Asagiri Jam(朝霧JAM),Shizuoka pref,Japan. - YouTube


Memory Lane - 七尾旅人 - YouTube

 

「Memory Lane」は東日本大震災後作られたとてもエモーショナルな曲です。この曲と「赤とんぼ」が組合わさる事で「赤とんぼ」にも違う意味が付与されてとても感動的になるんです。

 

…ちょっと脱線しましたが、是非聴いて欲しい曲でありミュージシャンですね。

 

 

という「赤とんぼ」なんですが、こんな興味深い記事が。


童謡「赤とんぼ」の「ねえや」は本当に15でお嫁に行ったのか - 顧歩日記

 

この記事にもありように、ねえやは実の姉ではありません。先ほど(?)としたのはそのせいです。かなり深く考察されていて読み応えがあります。結論については元記事を読んでみて下さい。

 

 

いかがでしたでしょうか。実際のところ暗い話が多くてレクで使えるか、というとなんとも言えないところではありますが、シンプルな歌詞の中にこれだけ深い意味やウンチクが込められている童謡は今時の歌と比べてもひけをとらない面白さがありますよね。ただ歌うだけではなくて、コミュニケーションの引き出しの一つとして利用者と話をしてみるのも良いのではないでしょうか。