非常時こそオープンな介護を。
こんばんは。先週に引き続いて、またしても台風襲来ですね。今回も三連休という休みを狙っての襲来、休みを満喫している方にはたまったもんじゃないですよね。僕のように土曜日も今日も仕事な人間にはまるで関係のない話ですが(笑)
先週も台風についての記事を書いていますが、今日はまたしても台風関連の記事を。
台風上陸、あなたの施設はどう対応しましたか? - 介護士こじらせ系
台風がまだ直撃していなかったという事もあり日中は普段通りの営業をしていたわがデイサービスですが、状況確認を常にしていたので(うちの施設は大雨暴風警報を一つの目処としてサービス提供の中断を決めます)、テレビはつけっぱなしでした。逐一報道される各地の映像や気象庁の記者会見、天気図、そしてケガ人の情報や避難所の映像。
今まで気にもしていませんでしたが、改めて聞いていると引っかかるところが多いですね。台風だからという理由で、普段であればほぼ間違いなく報道される事のない、高齢者の転倒などによる負傷の情報。おそらくはケガをする可能性があるから無茶な行動や無闇な外出をしないように、という意味を込めてあえて報道するんでしょう。引っかかるようになったのは職業からくるものでしょうか。
今日一番引っかかったのは、避難所の映像を観ている時でした。比較的年齢層の高い方々が早々に避難されていました。その時、要介護者はこういう時どう避難するんだろう、と思ったんですよね。車いすでかつ自分で動けない人だとか、認知症で一人で正常な判断が出来ない人はどうするんだろう、と。
まず調べて出てきたのがこちら。
救えたはずの命 ~“寝たきり避難”の課題~ - NHK クローズアップ現代
東日本大震災から浮かび上がった課題である寝たきり避難について紹介された放送のダイジェスト版です。職員一人一人のリスクへの認識が重要、とありますね。でもこれ、どうなんでしょ。ちょっと感じた違和感をストレートに書いているのがこちら。
緊急事態時には、要介護老人を助ける事など考えるな
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/welfare/1300319253/l50
タイトルはともかくとして、ここから。
168 :名無しさん@介護・福祉板:2012/09/07(金) 19:31:10.01 id:gs2oxVdk警察・消防・自衛隊に助けてもらって下さいよ。
我々介護職には、それだけの報酬も権限も職責も技能も地位もありませんので。
自分のことだけで精一杯ですよ。
169 :名無しさん@介護・福祉板:2012/09/07(金) 20:24:42.64 id:xlyA3xaB>>168
だが過去の判例では『逃げずに救護しなければならない』なんだよ。
170 :名無しさん@介護・福祉板:2012/09/13(木) 02:48:53.04 id:K7gxNVoKああ、確かに保護責任者遺棄罪に問われる可能性はあるね。
しかし緊急時には、文字通り緊急避難で
違法性は阻却されるんじゃなかろうか?
171 :ななしのフクちゃん:2012/09/15(土) 05:36:52.40 id:uX1wUP00常に数珠が必要みたい。
172 :ななしのフクちゃん:2012/09/15(土) 20:22:23.46 id:wnz57VUk緊急避難が認められていない介護職。
警察・消防・自衛隊に救いを求めよ!
173 :ななしのフクちゃん:2012/09/16(日) 05:53:59.82 id:ykXkiP2m判例なんてクソ食らえ。
俺は家族と自分の為に
逃げる。
174 :名無しさん@介護・福祉板:2012/09/18(火) 11:34:55.29 id:Si0lH4aA>>169
へーそんな判例があるんか。
平時には医師なみの責任を負わされ、数千万の賠償を負わされるということもあるのに、
有事には警察・消防・自衛隊なみの責任を負わされるのか。
介護職ってのは、どんだけスーパーマンを求められるんだよ。
(赤字はこちらで編集)
先に紹介した番組の中では、東日本大震災という未曾有の災害において、マニュアルによらない、自らの判断で行動した例を挙げてスタッフの意識の向上を暗に求めていますが、多くの場合上記の赤字の部分を疑問に感じるのではないでしょうか。というか、意識のもちようと言われ、誰も助けてくれない事を前提として動くというのは、それこそ実質的なマニュアルの無力化を言われているようにすら感じてしまいます。
なんだかなー。非日常の災害時だからこそ、慌てているであろう状況を想定してオートマティックに動けるように作成するものがマニュアルだろうと思うんですが。いや、もちろんマニュアルが完全にないがしろにされているわけではない、という事は理解しています。が、そこからはみ出てくる事態も常に想定しながら仕事しろよ、と言われると介護職に課せられたハードルの高さを感じますね。
結局のところ、一番のポイントは介護は介護の世界で完結させろ、というところで、そこに問題の全てを感じます。
例えば被災してしまって避難所に老若男女様々な人が集まって、物資が足りない中で最終的な判断として高齢者や要介護者に物資が行き渡らなくなる、というのは、結局のところ誰かが犠牲になってしまう状況では仕方のない判断だと思うんですよ。ですが、そこからの展開として、一部の介助者や家族だけに負担がいってしまうのがおかしいと思うのです。そういった状況では同じ被災者ですから。
もっと、介護はオープンにならなきゃダメだと思ってます。具体的には、ごく簡単な介助とかを介護に関わっていない人でも出来るくらいに広げる、とかですね。
僕がユマニチュード周辺の動きで一番いいなと思ったのは、それまで介護に感心をあまり向けていなかったであろう人にも一定数波及していた事です。Twitterなんかで検索するとその辺が分かって興味深かったですね。
ユマニチュードみたいな知識が一般化して、誰でも要介護者に接する事が出来るようになるくらいの環境の中で介護職の人が専門職として動く、くらいがちょうどいいような気がします。何せ介護職はスーパーマンではないし、当然全ての事が出来る訳ではないですから。
この辺りが、僕が冒頭で感じた疑問への一つの答えになるのかな。
待遇やら社会的地位やらで色々と言われますが、介護職も一端の専門職です。介護についての知識がもっと一般化する事はもちろん必要ですが、そうなった時に専門職らしく堂々と振る舞えるくらいにならなきゃいけないよなと思うのです。
何度でも貼付けますよ。